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2013.9.30

『なめこ文學全集』第3巻発売記念!小鳩まり先生特別インタビュー(中編)


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本エントリは9月27日に公開された「小鳩まり先生特別インタビュー(前編)」記事の中編となります。
よろしければ前編も併せてご覧いただけますと幸いです。

『なめこ文學全集』第3巻発売記念!小鳩まり先生特別インタビュー(前編)
//namepara.com/atochi/info/report/2045.html


▼ビーワークス社内で行われたインタビュー風景
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写真手前・小鳩まり先生 写真奥・なめこデザイナー河合
(聞き手・ダンボールなめこ)

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0920_danboru.pngそれではここからは『なめこ文學全集』第3巻について、収録順に作品の解説や制作秘話を伺っていきたいと思います。

130927_kawai.jpgよろしくお願いします。

130927_kobatosensei.jpgよろしくお願いします。

 第3巻収録話リスト(収録順)
  新美南吉「ごんぎつね」
  芥川龍之介「羅生門」
  森鴎外「舞姫」
  泉鏡花「高野聖」
  堀辰雄「風立ちぬ」
  宮沢賢治「やまなし」
  滝沢馬琴「南総里見八犬伝」(後編)
  有島武郎「カインの末裔」

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◆新美南吉「ごんぎつね」
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0920_danboru.pngいきなりハードな内容ですが、ずばり本作のポイントは?

130927_kobatosensei.jpgとにかくごんをかわいく描こう!と思って描きました。動物が好きなので(笑)

0920_danboru.pngハロウィンバージョンのななめこがハマり役ですよね。

130927_kobatosensei.jpgごん役はこの子しかいないという感じだったんですが、意外とななめこの造形が難しくて苦労しました。

130927_kawai.jpgななめこは何度か立体化されていますが、造型師さんによって毎回解釈が異なるのでやっぱり難しいみたいです。


0920_danboru.pngごんをかわいく描くために気をつけたことはありますか。

130927_kobatosensei.jpgかわいく描くためだけではないのですが、よりリアリティーが出るように所々で"動物らしい仕草"をとらせています。

130927_kawai.jpg"動物らしい仕草"?

130927_kobatosensei.jpgたとえば「あんないたずらをしなけりゃよかった」と穴の中で丸まってるシーンや

▼「くるんっ」がかわゆい
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130927_kobatosensei.jpg兵十の後をつけて井戸のそばで待っているシーンで手持ち無沙汰で自分のしっぽをいじっているシーンです。

▼早く終わらないかな〜って思ってるんだよね
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0920_danboru.pngほんとだ!

130927_kawai.jpgなんとなく読み過ごしてしまいそうなカットですが、1コマ1コマに細かい演出が施されているんですね〜。



◆芥川龍之介「羅生門」
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0920_danboru.pngまたまたハードなテーマ、というかこれは...

130927_kobatosensei.jpgかなり怖〜いお話です。

(担当編集べ氏より「キーワードは"ホラー"」とのこと)


0920_danboru.png個人的には「背の低い 痩せた 白髪頭の 猿のような 老婆」のインパクトにしびれました。

▼4拍子揃った老婆
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130927_kobatosensei.jpg実はこの役もなめこのキャラクター先行で配役を決めました。

130927_kobatosensei.jpg終盤で「老婆が下人に着物を剥ぎ取られる」シーンがあるので、それをうまく表現できるキャラは...ハロウィンバージョンの白なめこだ!って(笑)

130927_kobatosensei.jpgあとは白なめこちゃんなら女性を演じさせても不自然じゃないとか。

130927_kawai.jpgなるほど。なめこには性別ないですが、小説の登場人物は男女に分かれていますもんね。


0920_danboru.png他になめこ版「羅生門」を読む上でのポイントはありますか。

130927_kobatosensei.jpgベタ(黒く塗りつぶす部分)が多めなんですが、完全なベタにしないようにしたところでしょうか。

130927_kobatosensei.jpg暗〜いシーンが多いので絵本的なイメージで仕上げてみたり、とか。

130927_kawai.jpg絵本的なイメージというのは、描線のタッチを残しているところなどですか。

130927_kobatosensei.jpgそうですね。ベタの中にも質感の変化をつけることで画面が重くなりすぎるのを防いでいます。

▼様々な黒の表現(なめこのシルエットの質感に注目)
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▼様々な黒の表現(天井の陰はカケアミとトーンで陰影が重ねられている)
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0920_danboru.pngベタの使い分けというのはわたくし大変興味深いです。

130927_kawai.jpg陰鬱な「羅生門」をサラッと読ませてくれるのは、こうした工夫の賜物なんですね〜。



◆森鴎外「舞姫」
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0920_danboru.pngきました「舞姫」。

0920_danboru.png俺の嫁・エリスたんを捨てた豊太郎に憤慨しております!

▼俺は豊太郎を絶対に許さない
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130927_kobatosensei.jpgでもうちは普段原作を読み込むときは、登場人物に共感しながら読むことが多くて。

130927_kobatosensei.jpg「舞姫」でも「自分が豊太郎と同じ環境に置かれたらどうする?」「敷かれたレールを歩くだけだったのでは?」のように、豊太郎に自分を重ねていました。

0920_danboru.pngええ、そうだったんですか!?

130927_kobatosensei.jpgとはいえ豊太郎はひどい男なので...。

130927_kobatosensei.jpg原作を読んだときは豊太郎に共感しつつも、漫画自体はエリスに肩入れして制作したかもしれません。

130927_kobatosensei.jpgエリスはかわいく、「みんなエリスの味方になれ〜」って(笑)

0920_danboru.pngそれじゃあ自分はまんまと小鳩先生の術中にはまった訳ですね!!

0920_danboru.png(高校時代に教科書で読んだときは「エリス乙!」って思ってました、とは言えないけど)

▼エリスかわいいよエリス
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130927_kobatosensei.jpgでもこのエリスも結構強烈で。ブライダルなめこにしたせいで毎日ウェディングドレスを着て「結婚したい!」という無言の圧力を豊太郎に送っている(笑)

130927_kawai.jpg読者によっては耳が痛い人もいそうな演出だ...。



◆泉鏡花「高野聖」
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0920_danboru.pngさてお次は描きおろしの「高野聖」ですね。

(担当編集べ氏より「泉鏡花生誕140周年記念作品です」とのつっこみ)

0920_danboru.png本当ですかそれ(笑)


130927_kobatosensei.jpgこの作品もホラーチックというか妖しいというか...。

130927_kawai.jpg妖艶?

130927_kobatosensei.jpgそう!妖艶です。かわいくて毒のある感じですね。

0920_danboru.pngあじさいなめこがとてもセクシーに描かれています。

130927_kobatosensei.jpg高野聖を読んでまず浮かんだのがあじさいなめこでした。

130927_kobatosensei.jpg原作では危険な香りのする妖艶な女性で、その雰囲気を出すために少し気だるそうなうっとりした感じの目をさせています。

▼危険な香りのする妖艶ななめこ
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130927_kobatosensei.jpgあとはあじさいなめこだと服も脱げるし、華やかなので。

130927_kawai.jpgこの服を脱ぐシーン笑っちゃいました。「あ、それが服なんだ...」って(笑)

▼あじさいなめこの全裸シーン
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0920_danboru.pngあじさいなめこも素敵なんですが、私ダンボールなめことしては是非聞いておきたいことが。

0920_danboru.pngはじめてモブ(キャラ名のないその他大勢)以外で出演できた!って嬉しかったです。

0920_danboru.pngこの全米が震撼したキャスティングについて教えてください!!

▼お坊さんの話を聞くダンボールなめこ
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130927_kobatosensei.jpg「高野聖」というお話は、お坊さん自身が体験したという昔話を、お坊さんが「私」に聞かせてくれてるという作品なんです。

130927_kobatosensei.jpgだからその聞き役の「私」は、物語に干渉しない派手でもなく・地味でもない・主張が激しくないキャラを当てる必要があったんです。

1212_danboru.png派手でもない・地味でもない・主張が激しくない...

130927_kobatosensei.jpg他のなめこやレアなめこだとどうしても個性が出てしまうので、表情を変えないダンボールなめこさんは適役だったんですよ。

1212_danboru.png......。

130927_kawai.jpgやっぱりモブじゃん(笑)

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という訳で『なめこ文學全集』第3巻に収録されている全8話のうち4話のエピソードをうかがってきましたが、まだまだお話は尽きません!!
ここまでお読みいただいた方はもうお分かりかと思いますが、小鳩まり先生のインタビューは前中後編の3回に分けさせていただことにいたしました。
気になる後編は10月3日(木)に掲載させていただきます。

どうぞお楽しみに!!

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『なめこ文學全集』の特設ページでは
・芥川龍之介「蜘蛛の糸」(第1巻収録)
・太宰治「走れメロス」(第2巻収録)
・堀辰雄「風立ちぬ」(第3巻収録)の3作品を無料で試し読みができるほか、第3巻購入特典の描きおろしペーパー配布書店リストも掲載しています。
ぜひチェックしてみてください!!

『なめこ文學全集 なめこでわかる名作文学』特設ページ
http://www.gentosha-comics.net/nameko_bungaku/

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なめこ文學全集 なめこでわかる名作文学(3)
[バーズコミックス スペシャル]
    作者:小鳩まり
    サイズ:B6判並製
    価格:650円(本体価格619円)
    ISBN:978-4-344-82921-3
    発売日:2013年9月24日

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