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2012.11.22

『なめこ文學全集』発売記念!漫画家小鳩まり先生に直撃インタビュー

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なめこのコミカライズ作品『なめこ文學全集 なめこでわかる名作文学』[1](バーズコミックス スペシャル)が、いよいよ11月24日(土)から全国の書店で発売されます。
なめこたちが名作文学の世界を再現するこの漫画、私もこの日を手帳に書いてカウントダウンしていました。

そこでなめぱら取材班はコミカライズを担当する漫画家・小鳩まり先生に直撃インタビューを敢行!!
なめこデザイナー・河合を交えてスペシャルインタビューをお届けします。


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左:河合 右:小鳩まり先生
(聞き手:ダンボールなめこ)

----まずは単行本発売おめでとうございます!

小鳩:ありがとうございます〜!!

----「comicスピカ」に掲載された5作品の他、描き下ろしも3作品で、計8作品が収録されていますが、特に印象的な作品があれば教えてください。

小鳩:2つあって、まず1つ目は『蜘蛛の糸』です。

河合:なめこなのに怖くて、ちゃんと『蜘蛛の糸』になってますよね。

小鳩:『蜘蛛の糸』は小さい頃読んだことがあったんです。そのときに受けた作品のイメージや衝撃をそのまま漫画に反映してみました。


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『蜘蛛の糸』より


小鳩:2つ目は『檸檬』です。

河合:実は『檸檬』は『なめこ文學全集』で初めて読みました。実際なめこが演じているのを見ると、人から伝え聞いていた作品のイメージと全然違う(笑)レモンを手にしたワクワク感や本を積み上げる一見意味の無い行為が、なんとも言えない雰囲気を持ち始めるというか。

小鳩:うちが感じたままに描いてみたんですが、後から世間での評価を知ってビックリしました。

河合:原作ではすごくシリアスな場面でも、登場人物がなめこに置き替わると途端にシュールになっちゃいますよね。

小鳩:後から自分で読んでみてもすごく可笑しかったです。


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『檸檬』より


----有名文学作品を漫画化する上で悩みはありますか。

小鳩:1話当たりのページ数が少ないので長編はやはり苦労しました。
特に『坊っちゃん』はストーリーをまとめるだけではダメで、至るところに伏線が貼られているので難しかったです。

河合:それだけ原作の完成度が高いということですか。

小鳩:省けるところが無いというか、どこも面白いシーンばかりで、(さすが、夏目先生!)と思いました。


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『坊っちゃん』より

小鳩:あとは『斜陽』も原作のイメージをどう表現するかで悩みました。ページに収めるためには話の本筋と関係ないところをカットしないといけないのですが、そこを省くと「太宰作品っぽさ」が失われてしまうんです。太宰先生の作品がもつ「人間の重さ」や「人間の弱さ」を漫画でも出したくて。

河合:同じ"なめこの漫画"なのに、どの話を読んでもそれぞれ違う趣きがあるなと感じました。そういう苦労の賜物だったんですね!

小鳩:うちが原作を読んで受けたイメージを、できるだけ読者さんにもそのまま伝えられるようにと思って漫画にしています。


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『斜陽』より




----もともと文学作品はよく読まれるんですか。

小鳩:実はほとんど読んだことがなくて(汗)子どもの頃、クリスマスプレゼントでサンタクロースから文学集をもらったときは、違うおもちゃが欲しかったので悲しくて泣いてしまった程です。今回の連載を始めるにあたって初めて読んだ作品の方が多いです。


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コミカライズのために原作を読破

小鳩:でも逆に、うちのような文学作品にあまり馴染みのない読者の方にも分かるぐらいに噛み砕いて描くように気をつけています。そのためにも原作はちゃんと理解できるまで何度も読み込むんです。

----文学はあまり読んだことがなかったそうですが、やはり漫画はお好きだったんですよね。

小鳩:はい!

----影響を受けた作品や漫画家さんはいますか。

小鳩:影響を受けたというか、単純に自分が好きな作品をいうと渡瀬悠宇先生の『ふしぎ遊戯』と羅川真里茂先生の『赤ちゃんと僕』です。もしかしたら、トーンの使い方とか画作りの部分では影響を受けているのかもしれません。いや、全然足下にも及ばないですが(笑)。
あとは大学時代に竹宮恵子先生から漫画を教わりました。きれいな線を描くためのアドバイスをもらったり。

----テクニカルな話でいくと、作画はデジタルですよね。

小鳩:ネームをスキャナーで取り込んで、ペン入れから仕上げまではPCで作業をしています。

河合:もともとデジタルだったんですか。

小鳩:ずっとアナログで作業をしていたんですが、『なめこ文學全集』からはデジタルで制作してますね。はじめは「Comic Studio」(漫画制作ソフト)の使い方を1から覚えつつの作業だったので大変でした。


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ここから「なめこ文學全集」が生まれる



----河合さんから何か質問はありますか。

河合:いつも配役が素晴らしいなって思うんですが、どうやって決めてるんですか。

小鳩:原作を読んでみて自然と浮かんでくる場合もあれば、編集さんと相談して決めることもあって、結構ケースバイケースですね。

河合:連載第1回目の『セロ弾きのゴーシュ』で猫がゴーシュの畑から野菜を持ってくるシーンがあって、その野菜というのが緑黄色なめこになってておもしろかった。「ここまでなめこにできるんだ!」って思いました。

小鳩:モブ(背景キャラのこと)一人一人までみんななめこなので、いつもキャラ表とにらめっこです。


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『セロ弾きのゴーシュ』より


----配役だと『源氏物語』は主役を誰にするかでかなり悩まれたとか。

河合:光源氏役は普通に考えるとなめこ先輩なんですよね。

小鳩:光源氏はモテるけど、現代の価値観だとかなりチャラいというか。その役を爽やかななめこ先輩にやらせていいのかなと思って悩みました。最終的には「光る君はチャラいんじゃなくて、すべての恋に純粋なだけなんだ」と思って、なめこ先輩に光源氏役を任せました。


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『源氏物語』より


小鳩:あとはストーリーライン上で省略していることを、登場人物のチョイスで表現していることもあります。

河合:例えばどんなシーンですか。

小鳩:『坊っちゃん』では、下宿の大家さんが自分で買った骨董品を主人公に売りつけてくる場面があるのですが、漫画化の際にばっさりカットしなければいけませんでした。その代わりにうさんくさいものを売りつけてくるキャラとして、商人の風貌をしたダイヤなめこを大家さん役にしています。

河合:それは気がつかなかった!

小鳩:原作を知っている人やこれから原作を読もうとしている人にも、『なめこ文學全集』を楽しんでもらえるようにと思って、色々な意味を込めてキャスティングしています。

河合:こまかいところまで工夫されているんですね。


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どのなめこが誰を演じているかにも注目(『坊っちゃん』より)


----それでは最後にひとことお願いします。

小鳩:みなさんに楽しく読んでもらえるといいなと思いながら、うちも楽しくなめこを描いています。普段文学を読まない人にも、たくさん読んでいる人にも楽しく『なめこ文學全集』を読んでいただけたら嬉しいです!

----ありがとうございました!


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なめこ文學全集 なめこでわかる名作文学 (1)
小鳩まり

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[バーズコミックス スペシャル]
    作者:小鳩まり
    サイズ:B6判並製
    価格:650円(本体価格619円)
    ISBN:978-4-344-82658-8
    発売日:2012年11月24日

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